あらぬ方向へのヰタ・セクスアリス、始まりの章
私の実家がある集落は、ほとんどの家で農業をやってて子供はその手伝いをするのが当たり前。
小学校時代は流行りの番組などを見たくてもすぐに手伝えと駆り出されるので、滅多なことでは見れない。
夜になると、ジジババとーちゃんの好みの番組しか見れない。
子供に番組選択権などないのです。
プロレスの後、野生の王国、という流れ。
あの頃見ることが出来た唯一のアニメもどきと言えば「ヤンボーマーボー天気予報」くらいだったよね・・・。
そんな生活してた私でしたが、なぜか中学から私立の女子校に通うことに。
駅まで1時間、駅から電車とバスを乗り継いで1時間半の合計2時間半かけて遠く離れた市内の女子校に通う日々。
それまで「おしん」みたいな、いやそれよりはもちっと近代的だけど田舎暮らしをしてたので、新しい生活は本当に驚きと興奮と汗と涙の毎日!
輝かしい青春、これから始まる!
と、意気込んだ。
鼻息荒く意気込んだ。
地元の友達は制服の下にえんじ色のジャージを履いて、ヘルメットを被って自転車通学。
髪の毛は男子坊主、女子おかっぱもしくは1つ結び。
本来なら私もあそこにいるはずだった。
だけど何がどう間違ったか、私はあちら側でないほうへいる。
ジャージも履いてないし、ヘルメットも被ってないよ。
セーラー服と革靴と、学校指定の補助バッグ持って一気にセレブの仲間入りよ、どうよ!
地元の友達からは憧れの眼差しで見られ、なんか自分のステータスが上がった気がして、そこから私は勘違い生活へと突入する。
ただの勘違いならまだしも、田舎者が急に都会っ子になりすましただけなので根底はそのまま田舎者。
思い出すと恥ずかしい道へ進みだすのだけど、そこはほら、プライドが高くて妄想癖のある私。
間違っているのに気がつくまで、こんなに時間かかりました・・・。